霧縛りの職工

大したことないことを大したことないように書きたい

ぷろめあ についての備忘録

5/25 プロメア を観てきた。

とにかく 熱血熱血熱血。 観終わってみると手汗がすごい 笑

来週はゴジラに行きたい。

TL;DR

製作は TRIGGER。グレンラガンキルラキル、例によって 熱さ で無茶を押し通すんだ!

ビビットな色調が珍しい? 滅茶苦茶派手 な画面が観たいなら観に行こう!!

堺雅人堺雅人だ。堺雅人だけじゃないぞ、普通 なんて期待するな!!!!!

ネタバレ度

PV の他、本編の冒頭や、作中の演出に多少触れる。

中終盤の内容を予測できるものにはなっていないはず。

ざっくり背景

ファーストインプレッション

promare-movie.com

TRIGGER 製作のアニメーション作品。 「天元突破グレンラガン (2007年, GAINAX)」、「パンティ&ストッキングwithガーターベルト (2010年, GAINAX)」、「キルラキル (2013年, TRIGGER)」とで監督を勤めた今石洋之の新監督作品だ。 脚本には今石さんとグレンラガンキルラキルでタッグを組んだ、劇団☆新感線中島かずきさんが再び関わっており、自分の様に前述した三作のファンは今度はどんなはちゃめちゃを観せてくれるのかと期待して劇場に足を運ぶだろう。

作品の軸は発火能力を手に入れた能力者たちバーニッシュと、発火能力を利用したバーニッシュの犯罪集団を制圧するための科学技術を有する管理社会プロメテウスの対立だ。 この対立にどんな仕掛けが施されているのかがポイントになる。

俳優陣

今作は普段実写で活躍している俳優の松山ケンイチ早乙女太一堺雅人が主役に布陣され話題になっているが、どの方も劇団☆新感線の舞台に出演した経験がある。 だからと言うのも違う気がするが、ファンの方々は安心していい。 彼らは期待以上に、文字通りの 熱演 を観せてくれる。

脇を支えるのは過去今石作品で活躍を見せたアニメーション作品でお馴染みの面々。 賑やかな画面に負けない強い台詞を聴くことができる。

PV を見よう

映像作品だからね。まだ観ていない人はまず一目。

www.youtube.com

観た印象をそのままに

鮮やかな色彩とローポリを生かすデザインの豊かさ

兎角、画面作りがアニメーション作品としては異色というのが全編通して強く残る。 色彩に関しては PV で既に見て取れるように、色の選び方、置き方からしてあまり類を見ない。

色調という意味ではバーニッシュの炎が全編を通して印象に残る。 この炎の印象のおかげで今石監督作品で言えばパンストを連想するだろう。 ビビッドなシアンとマゼンダのローポリで画面一杯に展開される炎は瞬間的には平面的な印象があるけれど、複数の面の組み合わせだったり、変化を与える事で不思議な立体感が生じている。 個人的には先日のムンク展で観た絵画にも似ている様なイメージを抱いた。 後で読んだパンフレットには「コンセプトアートをそのまま動かす」を目標とした事が書かれていてたけれど、これは目に入れた映像の表現としてしっくりくる。

視聴中に画面作りを意識してみるととにかく CG と手書きの場面の行き来に違和感が生まれない様に工夫を凝らしている様に感じた。 どちらの作画も混在する場合というと、普通のアニメーションでは 3D モデルでの作画が分かりづらい様に遠景で使ったり、3D が活きやすい無機物に利用したり、結構割り切ってキャラクターの描画でもカット毎に 3D と手書きが入れ替わりに現れたりと色々パターンはあるけれど、プロメアの場合は 3D の中で手書きのキャラが動いた時に不自然さが生まれない様になっている。 それこそ色彩だけでなくいろんなレイヤで仕掛けが施されているんだろう。 いくつかのシーンではキャラクターに境界線がなかったりしたけれど、これも工夫の一つと言えるかな?

モチーフを利用した印象付け

グレンラガンキルラキルでも印象深かったのだけれど、モチーフを利用して物語的な構造を示す手法は今作でもふんだんに使われている。 観終わってからあれと気づいたものもいくつかあるけれど、そういった要素をきちんと使う事で無茶に思える展開もなんとなく説得力を感じさせるのが腕なのだと思っている。

プロメアでよく語られているのは 三角四角、二つの図形で、これらの活用は徹底されている。

映画はバーニッシュ達の誕生から始まるが、何気ない現代社会の日常の中、ちょっとした不満を溜め込む人々が炎という形で爆発する様からしてバーニッシュの象徴で有る三角の鼓動と氾濫という形で表されている。 やがてバーニッシュ達が鎮圧される未来の管理社会に場面が移るが、ビル群が並ぶ街並みに溢れる日差しは四角形で体制側の威光が行き渡りそれによって社会が保たれている事がわかる。

観客は知らず知らずのうちに二つの図形がどう交錯するのか期待しながら観ることになる。

モチーフという意味では今石監督作品の過去作を思い出させるアイテムも多い。 グレンラガンでは胴体部に顔を持つロボット、ガンメンが登場したけれど、今作の乗り物の多くにもガンメンに通じる顔の様なデザインが取り入れられている。 過去作のファンはそういったファンサービスに気付くたびにニヤリするだろう。

映像を引き立てるストーリーテリング

色彩の印象はパンストを連想させると言ったけれど、一方でお話としてはどうか。 そういう意味では不条理ギャグに振り切れていたパンストからすると大分遠い。 無茶を力技で通していくという意味ではキルラキルが近い。 ストーリーは観る人を惹きつける 画面 を詰め込むための枠組みだ。

グレンラガンはシモンとカミナの関係性を軸に大きく四部で構成されていて、ストーリーがそれなりの複雑さの上に立脚している結構シナリオ構成が凝った作品だと思っている。 他方、キルラキルはどうかというと、割とそのあたりの複雑さを切り捨てて 主人公達が降りかかる苦難をなんかよくわからんけど小気味よく乗り越えていく熱さ の面白さに寄せているイメージがある。 プロメアはその間くらい。

テレビサイズで複数回に渡って放映される事を前提としたキルラキルと比べて中弛みと感じられる回が無い、映画尺だからこそ1本としての安定感があるので、自分としては二時間満足に楽しめたと言える。

お薦めの人々

主人公達が降りかかる苦難をなんかよくわからんけど小気味よく乗り越えていく熱さ、これを二時間たっぷり観たい人、それに尽きる。 そのための映画と言っていい。

グレンラガンの様に、「芯のある主人公が苦難を乗り越えていく姿」が観たい人。 パンティ&ストッキングwithガーターベルトの様に、「派手な色彩が画面一杯に散りばめられる映像」が観たい人。 キルラキルの様に、「よく分からないけれどとにかく熱い小気味良さ」を味わいたい人。 そんな人たちに、是非映画館で観て欲しい。

執筆メモ

プロメア執筆メモ

編集履歴

  • 2019/06/03
    • 初めにネタバレの程度が分かる様一項目加筆
    • 執筆メモとしての Mindmap を添付